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女性にとって『快適で豊かな未来の生活』をデザインするサービスデザインプロジェクト
女性研究者の視野拡大やボトムアップで研究を生み出す力、研究力の向上を目指し、『共同テーマの創出と実践』を目的としたプロジェクトです。
健康・栄養・有機エレクトロニクスを3本柱とした”山形の女性にとっての快適で豊かな未来の生活”の実現
山形大学、大日本印刷株式会社(以下、DNP)、山形県立米沢栄養大学(以下、米沢栄養大学)、帝人株式会社(以下、帝人) 他
写真:プロジェクト概要のグラフィックレコーディング(DNP松尾佳菜子氏)
写真をクリックすると拡大します
サービスを利用する人の”体験価値”を重視し、個々のタッチポイントのデザインに留まらず、事業としてサービス全体を包括的にデザインしていく行為です。
今回のプロジェクトでは、まず山形の特長を見つめ直し、生活者が感じる体験価値を描きます。その体験価値を提供するために欠かせないサービスやプロダクトを研究・開発する過程で、研究者としてのさらなる成長が望めます。
サービスデザインプロジェクトの効果
多様性のある環境の中で、各機関の強みを活かした今までにない新しい研究テーマの創出。
生活者視点で研究テーマを生み出す考え方やプロセスを実体験を持って習得。
実際にプロトタイプ開発や山形県を実証実験の場とし、一貫したサービス・商品化プロセスを習得。
フェーズ1(2015年10月~2016年3月) ※終了しました。
4機関の女性研究者にとって理想の共創型研究プロセスを構築
<実施回数> 全8回
< 場 所 > 【東京】DNP五反田ビル MAP
【米沢】山形大学工学部キャンパス内 MAP
< 時 間 > 11:00~18:00
フェーズ2(2016年4月から2016年10月)
山形の女性にとって快適で豊かな未来の生活を実現するためのサービス・プロダクトアイディア+研究開発テーマの創出
<実施回数> 全6回
< 場 所 > 【東京】DNP五反田ビル MAP
【米沢】山形大学工学部キャンパス内 MAP
< 時 間 > 11:00~18:00
フェーズ3(2016年10月から)
研究開発の推進+実験実証
※未定。フェーズ2終了次第、スケジュールを更新します。
レポート フェーズ1 第1回 プロジェクトキックオフ
女性にとって『快適で豊かな未来の生活』をデザインするサービスデザインプロジェクトがスタート!
【目 的】 プロジェクト概要の共有及びプロジェクトメンバー同士の交流によるマインドセット
【日 時】 2015年11月9日(月)13:00~16:00
【場 所】 DNP五反田ビル
【参加者】 山形大学、DNP、米沢栄養大学、帝人 各所属の研究者等 約20名
【ファシリテーター】 DNP 松尾佳菜子 氏
【内 容】
DNP主催で、「女性にとって快適で豊かな未来の生活」をデザインすることを目的としてプロジェクトのキックオフワークショップが開催された。参加者は約20名の女性研究者だった。会場では4グループに分かれて、4~5名で意見を交わした。
第1部では、3年間のプロジェクト全体の目的やゴール、プロセスについて松尾氏より説明があった(写真1)。プロジェクトの最終的なゴールは、健康・栄養・有機エレクトロニクスの3つの研究領域から「女性にとって快適で豊かな未来の生活」の実現を目指し、女性研究者の研究力向上、女性研究者を増やすことである。参加者は、この目標に向けて新しいサービス開発を行う予定である。
写真1:会場の様子
第2部では、プロジェクトで集まった各機関の参加者の「お互いを知る」ために、まずは、メンバーの自己紹介を行った。おもちゃのブロックを使用し、自分の性格や趣味・特技、経歴、家族構成などを、カタチや色でアレンジするというユニークな手法を用いて自己紹介を行った(写真2)。
写真2:自己紹介に使用したブロック
各参加者が作成した自己紹介作品はそれぞれバラエティーに富み、多様な参加者が集まっていることがわかった。
写真3:参加者たちの自己紹介(一部)
次に、「同じ女性研究者でも一人ひとり生活スタイルは違うはず」という発想から、参加者はある一日の行動とその時の感情の起伏を、ジャーニーマップ(写真4)に記入する作業を行った。その後、各グループメンバーから自分の一日を発表し、お互いに「いいね」と思う生活スタイルや、自分とは違う部分について意見を交わした。仕事の範囲に留まらず生活スタイルを可視化することで、たとえ同じ年齢・住んでいる場所・職種でも、異なった価値観や生活スタイルであることを発見できた。
写真4:ジャーニーマップ
ユニークな手法で行った自己紹介と、参加者が自分の一日を可視化して比較するという経験によって、「同じ女性研究者でも価値観や生活スタイルが違う」ことを発見する機会を得た。今後プロジェクトを進めていく上での団結力も構築できたようである。
次回のワークショップでは、連携機関の女性研究者にとって理想の「共創型研究プロセス」開発に向けて、現在それぞれの連携機関がどのような研究プロセスを行っているのかを可視化し、比較を通して良い点・悪い点を発見していく。女性にとって、快適で豊かな未来の生活を自らの研究で実現するために「どのように進めていくか」、参加する女性研究者たちが出すアイデアが楽しみである。
(文責:山形大学男女共同参画推進室米沢分室 コーディネーター)
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実施概要 フェーズ1 第2~5回 現状ヒアリングと研究プロセスの可視化
【日時・場所】2015年12月4日(金)13:00~17:30 大日本印刷
2015年12月7日(月)13:00~17:30 米沢栄養大学
2015年12月8日(火)13:00~17:30 山形大学
2015年12月10日(木)13:00~17:30 帝人
※機関ごとに実施
【 内 容 】①機関の紹介(大学・企業の見学と資料による説明)
②現状の研究プロセスのビジュアライズ
③女性研究者が増えない理由の考察
④プロジェクトに対する問題意識・期待のヒアリング
4機関のための共創型プロセス構築に向けて、各機関が現状行っている研究のプロセスを5W2Hで分解しながら可視化した(山形大学1プロセス、米沢栄養大学2プロセス、帝人1プロセス、DNP2プロセス)。またヒアリングを通じ理解した女性研究者を取り巻く環境やプロジェクトに対する想いは、プロジェクトの方向性を定める上で指針にした。
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実施概要 フェーズ1 第6回 共創型研究プロセスの必須条件
【日 時】2016年1月13日(水)11:00~17:00
【場 所】山形大学工学部キャンパス内
【内 容】①プロジェクトゴールとスコープの説明・合意形成
②各機関の現状プロセスの共有
③ワールド・カフェで、各機関の現状プロセスのGood/Painポイントを抽出
④理想の共創型プロセスの必須条件アイディエーション
プロジェクトメンバーとの合意形成を通して、プロジェクトゴールとスコープを設定。更に、理想の共創型プロセスの必須条件案を創出した。また、「山形県にとっての”快適・豊かさ”の定義が必要」「共創型プロセスが定常的に回る仕組みまで構築したい」等の意見を収集した。
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実施概要 フェーズ1 第7回 共創型研究のプロセス開発
【日 時】2016年2月2日(火)11:00~19:00
2016年2月3日(水) 9:00~17:00
【場 所】DNP五反田ビル
【内 容】①「理想の共創型プロセス」の必須条件を定義
②5W2Hに分解して「理想の共創型プロセス」を発想
③仮想テーマで「理想の共創型プロセス」をシミュレーション・精緻化
【成 果】理想の共創型プロセスの必須条件「共創メンバーの合意形成/市民参加型のデザイン/プロセスのオープン化/体験価値が含まれるサービスのリリース」を定義し、仮想のテーマでシミュレーションを繰り返しながら、なぜ(Why)何を(What)どうやって(How)誰が(Who)を意識しながら理想の「共創型プロセス」を開発した。
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実施概要 フェーズ1 第8回 デザインブリーフ作成
【日 時】2016年2月23日(火)11:00~18:00
【場 所】山形大学工学部キャンパス内
【内 容】フェーズ2(2016年4月以降)「山形の女性にとって快適で豊かな未来の生活を実現するアイデア創出?」に向けて、掲げているテーマ「健康・栄養・有機エレクトロニクスを3本柱とした”山形の女性にとっての快適で豊かな未来の生活”」に取り組む意義とゴールイメージ(=欲しい成果)を具体化した。
①「山形県の健康」に関する調査結果を共有
②5W1Hに分解してテーマに取り組む意義やゴールイメージを明文化
デザインブリーフの結果をグラフィックレコーディング(可視化)し、道に迷った時にいつでも立ち戻れる状態を作った。
写真:デザインブリーフのグラフィックレコーディング(DNP 松田久仁子氏)
写真をクリックすると拡大します
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レポート フェーズ2 第1回 山形の女性にとって快適で豊かな未来の生活を実現するアイデアの創出?
【日 時】2016年6月13日(月)11:00~18:00
【場 所】DNP五反田ビル
【参加者】山形大学・米沢栄養大学・DNP・帝人 4機関合計16名
【ファシリテーター】DNP 松尾佳菜子氏
【内 容】
サービスデザインプロジェクトは、今年度「フェーズ2」を迎えることになった。フェーズ2の第1回となる今回のワークショップでは、昨年度のフェーズ1を振り返りつつ、山形の女性にとって快適で豊かな未来の生活を実現するアイデア創出に向けてアイディエーションや意見交換を行った。
サービスデザインは、利用者の体験価値を重視する手法であり、以下の3つが重要である。第1は利用者の期待を超えるような「高い体験価値」を生み出す。第2に、体験価値を叶えるために包括的な視点でサービスをデザインする。第3は乗っかり合う共創スタイルという点である。
プロジェクトの目的を達成するためにフェーズ1で開発した「共創型プロセス」は、具体的に「メンバーの合意形成」「市民参加型のデザイン」「プロセスのオープン化」「体験価値が含まれるサービスのリリース」が必須条件であり、この条件を意識しながらプロジェクトを進めていく。実証実験の場はスマート未来ハウスとなる。
1回目ワークショップの目標は、有機エレクトロニクス技術の新しい用途を生み出すことである。有機薄膜太陽電池、有機EL照明、有機トランジスタ生体センサー、有機ELディスプレイの4分野に分けて、①新しい製品アイデアの発想(技術シートに記入)、②グルーピング、③全体共有によるブラッシュアップの手順で進めた。参加者の間で活発な話し合いが見られた。
写真:会場の様子
(文責:山形大学男女共同参画推進室米沢分室 コーディネーター)
レポート フェーズ3 第1回 山形の女性にとって快適で豊かな未来の生活を実現するサービスアイディアの研究開発推進+実証実験
【日 時】2016年12月2日(金)11:00~17:00
【場 所】山形大学工学部事務棟3階会議室(米沢)
【参加者】山形大学・米沢栄養大学・DNP 合計9名
【ファシリテーター】DNP 松尾佳菜子氏
【内 容】
2015年10月に発足した本プロジェクトはこの度、最終フェーズである「フェーズ3」へと突入した。フェーズ3では、よりスピード感を持って開発に取り組めるよう、少人数のチーム制、そして女性研究者をリーダーに進行する。今回のキックオフWSでは、フェーズ2で創出したサービスアイディアを、今後どのようにブラッシュアップし、開発・実践していくかの計画立案を行った。
はじめに、各サービスアイディアのビジョンについて共通認識を持つために、「Cover Story」というワークを行った。これにより、目指すべき理想のサービスのゴールイメージを、チームメンバー全員で揃えることができた。
その後、5W1Hのフレームに沿って、フェーズ3のデザインブリーフを制作。より具体的な計画書になっていくため、メンバー各々が今まで培ってきた経験などを活かしながら、活発な議論が行われた。
今後は2017年夏に予定している、アイデアの展示会を目指しながら、各チームで計画書に基づき開発を進行していく。